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RC造と鉄骨造の違い|事業用建築におけるコスト・耐久性・用途別判断軸

新築

RC造と鉄骨造の特徴を理解することは、事業用建物の建築計画を立てるうえで非常に重要です。
互いに素材や工法が異なるため、耐震性や耐久性だけでなく、施工期間や将来的なメンテナンスまで大きく影響を与えます。

コスト面では、RC造が材料費および施工費が高い一方で、耐火性に優れ、躯体の熱容量が大きく、室内温度が変化しにくい特性があります。
鉄骨造は比較的短い工期で建設可能なうえ、設計の自由度が高いため、大規模空間の確保にも向いています。

本記事では、RC造と鉄骨造の基本的な構造の違いやコスト・耐久性の比較、さらに用途別にどちらが向いているかを検討します。
今後の改修や増築の視点も踏まえながら、最適な構造を選択するための判断材料を提供します。

目次

RC造と鉄骨造の違い|コスト・耐久性・用途で徹底比較

ここでは両者の主な特徴をコストや耐久性、用途の観点から深掘りし、それぞれの強みや注意点を明らかにします。

RC造は鉄筋コンクリートを使用するため、建物の剛性感が高く、火災や風雨に耐えやすいという強みがあります。室内の温熱環境を安定させやすい反面、壁や柱が厚くなる分、間取りの自由度がやや制限されることも少なくありません。コンクリートの乾燥期間など工期が長くなるケースがあり、初期コストも高くなりやすい点が考慮ポイントです。

鉄骨造は構造材に鉄骨を用いるため、工場であらかじめ部材を製造し、現場で組み立てることが可能です。これにより工期短縮が見込め、間取りの設計自由度も高い傾向があります。一方で、コンクリートほど防音性や耐火性に優れていないため、適切な仕上げや耐火被覆などの補強策が必要となります。

用途面では、RC造は主にマンションや中~高層建築で多く採用される一方、鉄骨造は大空間が必要な工場やオフィスなどに利用されることが多いです。ただし、建築物の用途や規模、さらに将来の改修プランによって適切な構造は異なるため、後述する各ポイントを踏まえて検討する必要があります。

RC造・鉄骨造とは?それぞれの基本構造

まずはRC造と鉄骨造のベースとなる構造形式を知ることで、建築工事や建物性能にどのような違いが生まれるかを理解しましょう。

RC造は鉄筋とコンクリートを一体化させて柱や梁を構成する工法です。コンクリートが圧縮力に強い性質を持ち、鉄筋が引っ張り力を受け止めることで高い耐久性が得られます。その結果、高層建築の安定感を確保しやすく、遮音性や耐火性でも優れた特徴を示します。

一方、鉄骨造では一定の厚みを持った鋼材を組み合わせ、建物の骨組みを形作ります。軽量鉄骨造と重量鉄骨造の2種類に大別されますが、重量鉄骨造のほうが強度が高く、大スパン空間や高層建築にも対応可能です。必要に応じて耐火被覆や断熱材を使用し、火災・防音対策を強化することが一般的になります。


両工法ともに強度や耐震性を確保する仕組みが整っていますが、素材そのものの特性によって、調整が必要な部分が異なります。あらかじめ求める性能を把握したうえで、どのような構造が事業計画とマッチするかを見極めることが重要です。

  1. コストの違い|初期費用・工期・将来的コスト

    建築にかかる費用だけでなく、工期やメンテナンスなどの長期的視点も含めてトータルのコストを比較することが欠かせません。

    RC造は基礎工事やコンクリートの養生期間によって工期が長引きやすく、人件費もかさむ傾向にあります。初期費用が高くなる一方で、完成後の遮音性に優れており、躯体の熱容量が大きいため室内温度が変化しにくい利点があります。

    鉄骨造は部材の規格化が進んでいるため、現場での組み立て作業がスピーディーに行える特徴があります。初期費用はRC造と比較して若干抑えられるケースが多く、工期短縮によるコストダウンにもつながります。ただし、防火設備や錆対策などをしっかり行わないと、将来的な修繕費がかさむ恐れがあります。


    長期的には、いずれの工法でもメンテナンスを怠らなければ、十分に建物の品質を保つことが可能です。事業用建築では、投資コストをいつ回収するのか、運営期間をどれぐらい見込むのかといった計画を含めて、最適な構造を選択することが大切になります。

    耐久性・耐震性・メンテナンス性の違い

    日本は地震が多い国です。建物の頑丈さだけでなく、使い続ける過程でどの程度メンテナンスが必要かも視野に入れて検討しましょう。

    RC造は壁や床をコンクリートで一体化しやすいため、耐震性能が高い構造として評価されています。剛性が高く変形が少ないことから、地震時の揺れを吸収しつつ建物が崩壊しにくい点が特徴です。ただし、大きな地震の後にはひび割れやコンクリートの剥離などが生じる可能性があるため、定期的な点検が必要になります。

    鉄骨造は柔軟性を生かして揺れを受け流す構造です。部材同士の接合部の強度が耐久性を左右するため、溶接やボルトの劣化状況を定期的にチェックすることが不可欠です。耐震補強や制震システムなどを導入することで、大地震に対しても十分に耐え得る弾力性を発揮できます。


    メンテナンス性は血管のように張り巡らされた設備配管や内装の更新などにも影響を与えます。RC造はコア部分をくり抜く工事が難しく、配管の取り回しに注意が必要です。一方、鉄骨造は間仕切りの変更や設備更新が容易で、将来的なレイアウト変更にも比較的対応しやすい特徴を持っています。

    【用途別】RC造と鉄骨造の向き・不向き

    建築物の性格や利用シーンが異なると、要求される機能やコスト配分も変化します。具体的な用途を想定し、どの構造が適しているかを見ていきましょう。
    ここでは代表的な4つの用途を例に、それぞれの構造の向き・不向きを紹介します。用途ごとの特徴を把握することで、事業計画に合った選択がしやすくなります。

    1. 〇 工場・倉庫

      工場や倉庫は大きな空間を確保し、荷重に耐える必要があるため、重量鉄骨造が適しているケースが多いです。
      鉄骨造は柱間を広く取れるため、レイアウト変更や増築時に空間を仕切りやすいメリットがあります。

      ただし、ヒートブリッジ対策や断熱性能を高める工夫をしないと、内部の温度管理が難しくなる点に注意が必要です。

      〇 マンション

      マンションのように多数の住戸が集合する建物では、静粛性や耐火性が求められるため、RC造の人気が高いです。
      コンクリートがもつ遮音性能は隣戸とのトラブルを軽減し、プライバシー確保にも寄与します。

      施工期間がやや長くなることや初期コストの高さはあるものの、長期運用を視野に入れるなら、RC造のメリットは大きいといえます。

      〇 商業施設

      商業施設には広いフロア面積と柔軟な内装計画が求められます。

      鉄骨造であれば、大きなスパンを確保しながらテナントに合わせたレイアウト変更がしやすく、改装工事の工期も比較的短く抑えることができます。

      一方で、仕上げの段階で防音処置や耐火被覆などをしっかりと施すことが、来館者の快適性と安全性を高めるポイントです。

      〇 オフィス

      オフィスでは鉄骨造の高い設計自由度が生かされることが多いですが、耐震性や耐火性、そしてセキュリティ面の配慮が重要です。
      頻繁なレイアウト変更が見込まれる場合は、間仕切りを動かしやすい鉄骨造が適しています。

      一方、RC造も防音性や遮音性に優れているため、落ち着いた執務環境を確保しやすい利点があります。

    改修・増築を見据えた場合の構造選択の考え方

    建物は竣工時だけでなく、長期にわたって使われる資産です。将来的な拡張や用途変更を意識して構造を選ぶことも大切です。

    現在は必要なくても、企業の成長や新技術の導入に伴って増築や改修が必要になる場合があります。鉄骨造は部材の交換や追加が比較的容易で、クレーンなどを利用した作業もスムーズに進められます。

    一方、RC造は建物全体の強度バランスを見ながら改修を行うことになるため、工期が長引きやすい傾向があります。ただし、耐久性に優れる構造のため、長い目で見れば安定した投資効果を得やすい点も見逃せません。


    改修にかかるコストや工期を適切に計画できれば、事業継続に支障をきたすリスクを最小化できます。そのためには、構造選択の初期段階から将来像を明確にし、必要に応じて専門家と相談しながら進めることが重要です。

    RC造・鉄骨造は「構造」ではなく「事業計画」で選ぶ

    単純に構法の比較に留まらず、ビジネス目標や長期的な資産活用の視点から、最も合った選択肢を見極める必要があります。

    コストや耐久性の数値だけをもとに決定すると、後々の改修や運用で想定外の負担が増えることがあります。
    例えば、店舗を複数回増床する可能性がある場合は、増築しやすい鉄骨造が魅力的な一方、マンションの長期運営を前提とするならばRC造の堅牢性を重視するのが得策です。


    また、事業の計画期間や資金調達の余力によって、初期投資を手厚くするか、あるいは将来的な改修コストを抑制するかなど、判断の軸も変わります。精度の高い計画と予測があれば、構造選びにおける失敗リスクは格段に下がるでしょう。


    結局のところ、最終的な意思決定は事業ホライズンと投資効果のバランスを踏まえることが不可欠です。数字やデータに加え、市場動向や社員の成長予測など、幅広い観点で検討することで、より的確な結論にたどり着きやすくなります。

    建物用途や将来計画によって最適解は変わる

    最後に、どちらの構造が優れているかを一概に決めるのではなく、ライフサイクルや事業ニーズを見定めながら柔軟に判断していくことが肝心です。

    RC造と鉄骨造はいずれも優れた性能を持っていますが、事業用建物として築きたい目的や規模によって選択肢は大きく変わります。耐久性を最優先するならRC造、改修や拡張の自由度を重視するなら鉄骨造といったように、ポイントを整理しながら選択しましょう。

    一度建てた建物は、長期的にビジネス活動の基盤となります。経営資源の一部として考え、ローンや運営費だけでなく、稼働率や人材確保との兼ね合いからも判断することが重要です。優れた構造の建物であっても、実際の事業計画に合わなければ十分な成果は得られません。

    最終的には、事業者がどのような収益モデルや将来展望を描いているかで、最適解が異なります。専門家のアドバイスも取り入れながら、自社に合った構造・設計を選び取ることが、成功する建築計画の第一歩といえるでしょう。

      イー・エル建設へのご相談について

      事業用建築における構造選択は、設計が進んでからでは修正が難しい重要な判断です。
      だからこそ、事業計画や将来の運用方針を踏まえたうえで、初期段階から相談できるパートナーを持つことが重要になります。

      イー・エル建設では、新築・改修・増築を問わず、事業内容や中長期的な計画を踏まえた構造・設計の検討から施工までを一貫してサポートしています。

      RC造と鉄骨造のどちらが自社に適しているか判断に迷っている場合や、将来の改修・増築まで見据えた建築計画を整理したい場合は、専門家への早めの相談が、結果的にリスクとコストの最適化につながります。

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